水産資源の普及
~ 大三島漁業協同組合の水産資源普及への取り組み ~
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日本人と魚との関わり。その歴史は古く、縄文時代の貝塚からはアサリの貝殻やアジ、マダイの骨が出土しています。日本人は古くから魚を食べる習慣をもち、親しんできました。近年では食生活が多様化し、肉類や様々な乳製品が食卓に並ぶことも多くなりましたが、それでも動物性たんぱく質の40%前後を魚から摂取しており、日本人にとっては今も昔も大切な食材となっています。調理方法や食べ方は変化しても、日本人の食生活の中心的位置を占めていることには変わりはないのです。日本人の食卓に身近な魚。魚料理は普段の献立だけではなく、お正月やお祝いの時にも欠かせない日本の食文化の重要な一端を担っています。
また、最近では、「肥満防止」や「生活習慣病」予防といった食生活との関係が注目され、栄養バランスの視点から、低エネルギー高たんぱく食品で健康食品として優れた特徴をもつ魚介類が、世界的に注目を集めています。日本人の長寿と健康には、魚食文化が少なからず関係しているように思います。
このように私たち日本人とも大変関わりの深い魚ですが、最近では「骨があって食べにくい」「においが苦手」「調理が面倒」などの理由から魚離れが進み、昔と比べて魚介類の消費量も減少傾向にあります。
私たちのふるさと今治地域は瀬戸内海に面しており、海からの恵みが私たちの食卓を賑わすなど昔から豊かな海と魚食文化に恵まれた地域であり、季節によって様々な魚介類が港にあがります。その季節ごと、つまり“旬”のおいしい地魚を食べることは、水産物の地産地消や魚食普及の推進に、ひいては水産資源の普及につながることから、大三島漁業協同組合では水産資源普及のための様々な取り組みを行っています。以下に主な取り組みについて紹介します。
また、最近では、「肥満防止」や「生活習慣病」予防といった食生活との関係が注目され、栄養バランスの視点から、低エネルギー高たんぱく食品で健康食品として優れた特徴をもつ魚介類が、世界的に注目を集めています。日本人の長寿と健康には、魚食文化が少なからず関係しているように思います。
このように私たち日本人とも大変関わりの深い魚ですが、最近では「骨があって食べにくい」「においが苦手」「調理が面倒」などの理由から魚離れが進み、昔と比べて魚介類の消費量も減少傾向にあります。
私たちのふるさと今治地域は瀬戸内海に面しており、海からの恵みが私たちの食卓を賑わすなど昔から豊かな海と魚食文化に恵まれた地域であり、季節によって様々な魚介類が港にあがります。その季節ごと、つまり“旬”のおいしい地魚を食べることは、水産物の地産地消や魚食普及の推進に、ひいては水産資源の普及につながることから、大三島漁業協同組合では水産資源普及のための様々な取り組みを行っています。以下に主な取り組みについて紹介します。
1.共同集荷施設の整備
水産資源の普及にあたっては、その前提として魚介類の安定供給が不可欠となることから、当組合では、平成12年度事業において共同集荷施設を整備しました。これにより水揚げされた魚介類を活きた状態でストックすることが可能となり、島内旅館や小売業者への安定供給に大きく寄与することとなりました。
また、同施設では水揚げされた魚介類の直販も行っています。その日水揚げされた新鮮な魚介類を安価で購入できることから地元住民を中心に賑わっています。ここ大三島の「海の幸」をお客さん一人一人に知ってもらえることから、水産資源普及の一助を担っているものと考えます。
また、同施設では水揚げされた魚介類の直販も行っています。その日水揚げされた新鮮な魚介類を安価で購入できることから地元住民を中心に賑わっています。ここ大三島の「海の幸」をお客さん一人一人に知ってもらえることから、水産資源普及の一助を担っているものと考えます。
2.水産物加工場の整備
ここ今治地域では、瀬戸内海特有の多種の魚介類が漁獲されますが、季節によって特定の魚種が多量に水揚げされるため値崩れをおこし、魚価の低落を招くことがあります。これにより、漁獲量の割に所得が伸びない状況となるなど漁家経営は厳しいものとなっています。こうした状況を打開するため、当組合におきましては、大量漁獲された魚介類を加工することによる出荷調整及び付加価値向上を図り、魚価の安定及び漁家所得向上を図ることを目的に平成17年度事業におきまして水産物加工場を整備しました。
本施設の整備によりまして、先に整備された共同集荷施設との連携による魚介類のより効果的な出荷調整が可能となりました。これにより、これまで季節によって特定の魚種が大量に水揚げされた際の値崩れがあまり見られなくなり、年間を通じて多少の上下はあるものの魚価の安定と底上げが図られることとなり、漁家所得の全体的な向上に寄与しているものと考えます。
また、近年諸外国においては健康志向の高まりにより魚介類需要が急増しています。一方我が国では、「調理が面倒」等の理由により若年層を中心として魚離れが進行しています。このような魚離れが懸念される一方、例えば回転寿司は子供に人気があり、また、惣菜のメニューにも魚介類が多く取り入れられているという現実があります。このように年齢や生活形態によっても異なる多種多様化する消費者ニーズに的確に応えることが水産資源の普及には欠かせない要件となっています。こうしたことから、水産物加工場におきましては、こうした消費者の簡素化志向等に対応した調理しやすく食べやすい水産物の供給や、地域における未利用資源を活用した商品開発など水産資源普及推進のための様々な取り組みを行っています。
本施設の整備によりまして、先に整備された共同集荷施設との連携による魚介類のより効果的な出荷調整が可能となりました。これにより、これまで季節によって特定の魚種が大量に水揚げされた際の値崩れがあまり見られなくなり、年間を通じて多少の上下はあるものの魚価の安定と底上げが図られることとなり、漁家所得の全体的な向上に寄与しているものと考えます。
また、近年諸外国においては健康志向の高まりにより魚介類需要が急増しています。一方我が国では、「調理が面倒」等の理由により若年層を中心として魚離れが進行しています。このような魚離れが懸念される一方、例えば回転寿司は子供に人気があり、また、惣菜のメニューにも魚介類が多く取り入れられているという現実があります。このように年齢や生活形態によっても異なる多種多様化する消費者ニーズに的確に応えることが水産資源の普及には欠かせない要件となっています。こうしたことから、水産物加工場におきましては、こうした消費者の簡素化志向等に対応した調理しやすく食べやすい水産物の供給や、地域における未利用資源を活用した商品開発など水産資源普及推進のための様々な取り組みを行っています。
3.地産地消の推進による水産資源の普及
今治地域は温暖な気候と恵まれた自然条件の中で多様な食材に恵まれており、各地にはその風土や慣習とともに、その地域で生産された物を使った伝統的な郷土料理や家庭料理など、それぞれの地域特有の食文化が存在しています。
しかし、最近では、人々の価値観や食生活の変化につれて、長い年月をかけて育まれてきた貴重なこれらの食文化が消えていくことも予想されます。また、平成13年9月に発生したBSE問題を発端に、食品の虚偽表示等の食に関する様々な問題が起こり、消費者の「食の安全・安心」に対する意識の高まりの中で、全国各地で「地産地消」が強く推進されています。こうした背景の中、愛媛県では、愛媛県民による健全な食生活の実現と地産地消の推進を目的に、「地産地消・愛あるサポーター制度」を創設しました。
当組合におきましても同サポーターへの登録を行い、地元産水産物及びこれらを活用した加工品の安定供給を通じ、水産物等の消費拡大による水産資源普及活動の推進に努めています。また、食に関する知識や健全な食生活への関心が高まる中で地産地消を推進していく上では、地域の食文化の保持や味覚の発達等の観点からも食育の取組との連携が重要であると考えます。こうしたことから、今治市の栄養士等の学校給食関係者や今治地区漁業協同組合協議会等の関係機関にご協力いただき、学校給食における地産地消を通じた水産資源の普及に取り組んでいます。
しかし、最近では、人々の価値観や食生活の変化につれて、長い年月をかけて育まれてきた貴重なこれらの食文化が消えていくことも予想されます。また、平成13年9月に発生したBSE問題を発端に、食品の虚偽表示等の食に関する様々な問題が起こり、消費者の「食の安全・安心」に対する意識の高まりの中で、全国各地で「地産地消」が強く推進されています。こうした背景の中、愛媛県では、愛媛県民による健全な食生活の実現と地産地消の推進を目的に、「地産地消・愛あるサポーター制度」を創設しました。
当組合におきましても同サポーターへの登録を行い、地元産水産物及びこれらを活用した加工品の安定供給を通じ、水産物等の消費拡大による水産資源普及活動の推進に努めています。また、食に関する知識や健全な食生活への関心が高まる中で地産地消を推進していく上では、地域の食文化の保持や味覚の発達等の観点からも食育の取組との連携が重要であると考えます。こうしたことから、今治市の栄養士等の学校給食関係者や今治地区漁業協同組合協議会等の関係機関にご協力いただき、学校給食における地産地消を通じた水産資源の普及に取り組んでいます。
4.他団体との連携による魚食普及
近年世界的に魚食に対して関心が高まり、魚介類の消費拡大が期待される反面、国内では「調理が面倒」等の理由により家庭内では魚離れが進行しています。しかし、(社)大日本水産会の調査によれば、5割以上の人が「日頃の食事で魚介料理を食べる回数を増やしたい。」、子供を持つ母親の3分の2が「子供に今以上に切り身魚料理を食べさせたい。」、更には、食生活で改善したい点の第1位は「魚介料理のレパートリーを増やしたい。」と考えているとの調査結果が出ており、魚離れが進行している一方で日本人の魚食志向は失われていないと考えられます。
こうした現状を踏まえ、家庭への魚食普及を推進することを目的に愛媛県魚食普及推進協議会では、園児や小中学生及びその保護者を対象に愛媛県産水産物を利用した「おさかな料理教室」等の各種取り組みを行っています。当組合におきましても同教室への地元産魚介類の提供及び人的協力を通じ、こうした団体と連携を図りながらソフト面での水産資源普及活動にも積極的に取り組んでいます。
こうした現状を踏まえ、家庭への魚食普及を推進することを目的に愛媛県魚食普及推進協議会では、園児や小中学生及びその保護者を対象に愛媛県産水産物を利用した「おさかな料理教室」等の各種取り組みを行っています。当組合におきましても同教室への地元産魚介類の提供及び人的協力を通じ、こうした団体と連携を図りながらソフト面での水産資源普及活動にも積極的に取り組んでいます。
5.持続的な水産資源の確保による安定的な供給
水産資源に恵まれたここ今治地域ですが、その資源は無尽蔵ではなく限りがあります。豊かなこの今治地域の海を守り育てていくためには、地域資源である水産物の育成も重要となります。そこで、今治地区管内11漁協で構成する今治地区漁業協同組合協議会を中心に、この地域における水産物の持続的確保及び安定供給を目的として、毎年、キジハタ(アコウ)等の稚魚を放流し、水産資源保護に努めています。
これからの課題と取り組み
若年層を中心として国民の魚離れが進行していますが、「健康志向」といった水産物消費拡大にとって追い風となる要素もあります。地域における魚食文化と健全な食生活を守るために、旬の魚の魅力、栄養特性、美味しい食べ方などに関する情報提供の充実といった消費者へのPRをこれまで以上に積極的に展開していくことが必要となると考えます。
また、更なる水産資源普及に向け、学校給食における地場水産物の活用や水産業に関する体験機会の提供等を通じて、食育を積極的に推進していくなど、関係機関との連携を密にし、より効果的な水産資源普及推進のための方策の検討を行っていく必要があるものと考えます。
冒頭にもありますように、私たち日本人と魚との関わりは、その歴史の古さと相まって大変深いものがあります。日本人にとって魚を食べることは単なる習慣ではなく、一つの文化と言っても決して過言ではありません。この文化は先人達の魚に対する強い思いの結晶として、長い年月をかけ創意工夫を凝らして築きあげられたものであり、私たち日本人に共通の財産であります。私たちは先人達から受け継いだこの貴重な財産を私たちの代で決して絶やすことなく、次の世代に引き継いでいく使命があるのです。
このように水産資源の普及は単に魚介類の消費拡大を図れば良いというものではなく、日本人の魚食文化の継承という非常に重要な目的もあるのです。私たち水産業に関わる者はこうしたことを常に意識した中で、水産関係者のみならず消費者とも連携を図りながら、真の意味での水産資源普及推進に向けた様々な取り組みを行っていく必要があると考えます。日本の未来に海の幸多きことを願いながら・・・・・・。
また、更なる水産資源普及に向け、学校給食における地場水産物の活用や水産業に関する体験機会の提供等を通じて、食育を積極的に推進していくなど、関係機関との連携を密にし、より効果的な水産資源普及推進のための方策の検討を行っていく必要があるものと考えます。
冒頭にもありますように、私たち日本人と魚との関わりは、その歴史の古さと相まって大変深いものがあります。日本人にとって魚を食べることは単なる習慣ではなく、一つの文化と言っても決して過言ではありません。この文化は先人達の魚に対する強い思いの結晶として、長い年月をかけ創意工夫を凝らして築きあげられたものであり、私たち日本人に共通の財産であります。私たちは先人達から受け継いだこの貴重な財産を私たちの代で決して絶やすことなく、次の世代に引き継いでいく使命があるのです。
このように水産資源の普及は単に魚介類の消費拡大を図れば良いというものではなく、日本人の魚食文化の継承という非常に重要な目的もあるのです。私たち水産業に関わる者はこうしたことを常に意識した中で、水産関係者のみならず消費者とも連携を図りながら、真の意味での水産資源普及推進に向けた様々な取り組みを行っていく必要があると考えます。日本の未来に海の幸多きことを願いながら・・・・・・。